認知されるためのABC

多くのサイクリストは、自身がドライバーから視認されていると大きく誤解していると、研究が証明した。視認性を高めるため積極的に体を動かすなどしない限り、サイクリストはほとんど視認されないのだ。これは驚くべき現実である。とは言え、誰もが簡単な方法で視認性を高められる。クレムゾン大学の知覚的アウェアネス学科の学生が行った研究を元に、以下のガイドラインを作成した。認知されるためのABC ーー 日中も点灯、体の動き、背景との対比 ーー が『良い』『より良い』『最も良い』として示されている。日中点灯用ライトを用いるのは視認される良い方法ではあるが、このライトを使うだけでなく、同時に体の動くパーツを目立たせ、背景との対比を強めるギアを身につけることが最も効果的である。『認知されるためのABC』を全てのライドに心がけ、路上でより目立つ存在になろう。

昼でも夜でも、前後にライトを

サイクリングは、自動車産業からいくつもの素晴らしいヒントを得てきた。サスペンションやディスクブレーキなどは、自動車とモーターサイクルのおかげである。最近の自動車が日中点灯用ライトを標準装備するのは、このライトを使うと衝突事故に巻き込まれる可能性が下がるためだ。この理論をバイクにも適用するのは簡単だ。

しかし、全てのライトは等しく作られていない。高輝度を誇るライトでさえ、日中はそれほど効果がないこともある。本物の日中点灯用ライトは専用のフォーカス、フラッシュ、レンジを搭載、これら3つを備えていなければ、ただのライトでしかない。

体の動くパーツを目立たせよう

脳はそれ自体を守る方法を知っており、生き物の形をパッと見ただけでそれが生き物であると認識できる不思議な力を備えている。つまり、私たちは他の人間を認識するのが得意なのだ。これは誰かから教わるものではなく、「体の動きに対する感度」と呼ばれる本能的な知覚能力なのだ。

ライド中のペダリングの上下運動は、それが人間のものであると気づかせる特有の動作である。夜間は反射性素材を用いた製品でつま先までの脚全体の動きを強調させよう。日中は、蛍光色のソックス、シューズ、シューズカバー、ウォーマーなどを着るとよい。

日中と夜間に適したギアを選ぼう

被視認性は、コントラストすなわち背景との対比に依存する。

蛍光色が日中に効果的なのは、周囲の環境からサイクリストを目立たせる働きをするから。しかし、太陽が出ていないと、蛍光色のアパレルは暗めの色のものと同程度の効果しか得られない。

暗闇では何も見えない。こんな簡単なことを私たちに気づかせるのに、高度な訓練を受けた視覚の専門家集団が必要となるのは驚くべきことだった。

アパレルの場合、蛍光色は日中に有効だ。そして夜には、反射性素材があなたを目立たせる。

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