勝敗が1000分の1秒で分かれるとき、ほんのわずかな長さ、重さ、角度のすべてが重要となる。物体を可能な限り効率良く空気中でも移動させるために、トレックのエンジニアは想像、設計、製作し、テストする。そしてこれを繰り返し行う。挑戦に打ち勝ったことに喜ぶ世界中のアスリートが手を高々と上げた瞬間に、この開発と作業に掛かった莫大な時間が報われる。年齢別トライアスロン、タイムトライアルのワールドツアー、カフェまでのスプリント、どれであっても、トレック分析チームの仕事がその役割を果たす。
トラック競技上での実験
風洞施設は、ライダーとバイクの潜在的空力性能に関して正確なデータを提供するが、実際のレースは風洞施設では行われない。ライダーが効果的な空力性能を得るためには、ある一定の時間、同じポジションで走り続けなければならないのだ。走行中のライダーのエアロポジションは、屋内トラックで磨かれる。ここではトレック分析チームとPrecision Fit チームが共同で、最高のエアロポジションを探し出す。